景観によるまちづくりは、地域のアイデンティティーを探す・発見することから

市民アンケートから見える清水のアイデンティティー
旧清水市のキーワードは、「山」「海」「港」
旧清水市民のアイデンティティーは「好き」であり「嫌い」な景観の「清水港」

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 清水港は、静岡県の中央部に位置する国際拠点港湾です。三保半島により静水面が確保された天然の良港として古くから栄えてまいりました。現在、約500hの臨港地区にはコンテナターミナル、重化学工場、金属工場、造船所、海水浴場等により、国際貿易、生産、物流、観光等の多機能な港湾です。また、富士山を背景にした三保の松原の景観は、日本三大美港の一つです。
 昭和63年に策定された「(旧)清水市景観形成計画—海洋文化都市を育む景観づくり—」で、市民アンケート調査が行われました。
 この調査によると、旧清水市の景観のキーワードとして、
  市街地のどこからも望める「
  清水の歴史・産業に深く関わってきた「
  清水の産業を支える場所として展開してきた「
が挙げられています。
 一方、清水八景は、古くから語リ継がれてきた観光名所が上位をしめています。
 そのなかで「港」は旧清水市民にとって代表的な「嫌いな景観」の貯木場をはじめ、ほぼ港湾全域が挙げられています。その理由としては「港が汚い」「暗い」等の殺伐とした、雑然とした、人を寄せ付けない産業空間のイメージによるものでした。
 このことから、旧清水市民のアイデンティティーは「好き」であり「嫌い」な景観の「清水港」であることが解りました。