遠景・中景・近景による風景づくり

視点場と対象場の関係性《近景・中景・遠景》

《図・表をクリックすると拡大表示されます》

 景観を見、理解し、考えるためには、視点場側と対象の見られる側(対象場)の関係性が重要です。その関係性は、視点場からの距離による見え方によって「遠景」「中景」「近景」に区分されます。
 日本平からの眺望地点からの富士山を借景にした清水港全景の「遠景」、清水港湾立地により対岸が視認できる「中景」、港湾機能ゾーンごとの将来イメージを目指した「近景」による風景です。
近景」は、視対象の意匠や素材、テクスチュア―の構成要素の動きなどが認識できます。
中景」は、視対象自体に明暗や色彩の違い、視対象自体の形態や意匠、動きや構成要素の配置等を理解できる程度の景観です。
遠景」は、視対象と背景が一体となって見える景観で、視対象と背景とのコントラストや視対象のアウトラインによって構成される景観です。したがって、施設の配置や規模、形態といった要素が重要となります。特に地域の風景を形成するスカイラインを阻害する建築物、工作物の建設は配慮が必要です。