「絵になる風景」のための「図と地」の関係

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 美しい風景づくりには、【図と地】 《figure and ground》の関係が基本にあります。 ある物が他の物を背景として全体の中から浮き上がって明瞭に知覚されるとき、前者を「」といい、背景に退く物を「」といいます。
 「対象を知覚する際の形態を有する秩序」とし、ゲシュタルト心理学での「ルビンの壷」は有名で、認識の仕方によって、まったく違うものを読み取ってしまう典型的な図になります。
 もう一点、印象派画家として活躍したポール・セザンヌの『大水浴図』を紹介します。印象主義のように多くの自然を描くことを好みましたが、それまでの遠近法や明暗法ではない新たな空間の表現法として20世紀後半の画家に大きな影響を与えています。
 この図と地の要素を意識し、背景の形を意識していくことにより見る者を魅了させる「絵」になる風景になります。