可視・不可視 景観の視覚構造

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 可視、不可視は、対象がある特定の視点から見えるか、見えないかを表す指標であり、見える場合を可視、見えない場合を不可視といいます。
 また、可視領域・不可視領域はある特定の視点からの眺めや特定の対象に対する眺めにおいて、可視あるいは不可視である地点の集合をいい、エリアで示されます。可視・不可視は、景観計画や景観アセスメントにおいて、対象が視点場から見えるか見えないか等を分析する基本的な指標です。
 2013年に世界遺産に登録された富士山の可視領域、不可視領域を示した富士山可視マップを紹介します。
 富士山は、重なる噴火によりコニーデ型の日本の最高峰3,776mの標高をもつこと独立峰です。そのすそ野は広く、多くの視点場をもち富士山は、北は、福島、南は和歌山、奈良から、19都県から眺めることができます。首都圏から眺められる最高峰という点でも他に類をみません。
 このような地勢の特徴により、富士山は古くから神の山として、信仰と生活文化を育んできた日本の象徴として多くの絵画や詩に詠まれてまいりました。
 また、山容が富士山に似ている、歴史的に富士山と何らかの関係がある山やその土地を代表する山等、全国各地では「ふるさと富士」が約400存在します。