色彩の基礎知識

《図・表をクリックすると拡大表示されます》

 人の眼は物体が吸収・反射する光や、物体を透過する光を色として知覚します。色彩は、物や光を見た時に感じられる視知覚特性の一つとされています。
 色彩は物が発したり、反射したりする光が眼球から脳に伝えられて初めて生じる感覚です。これらはそれぞれ関連しあっているため、ひとつの属性を扱っただけでは、特定の色をいいあらわすことはできません。
 色立体は色彩の3属性に従って3次元空間に配置されています。垂直方向に、明度、水平方向に彩度、そして中央に無彩色軸を取り囲むように色相が配置されています。
色彩の3属性
 色彩は、白や灰色や黒といった色味のない無彩色と赤や青といった色味のある有彩色に大別されます。
  色相(hue) 赤・黄・青・紫などの色合い。
  明度(value) 明るいか、暗いかの明るさ違い。
  彩度(chroma) 鮮やかか、くすんでいるかといった色合いの違い。
色相
 色相を環状に配置し、色を体系化する方法として色相環があります。
 色を正確に伝えるためには、規則的な色の表記方法が必要になります。
 この色の表示体系をカラー・オーダー・システム(表色系)といい、色相環や色立体によってあらわすことができます。
 現在よく知られているものには、マンセル表色系、オストワルト表色系、PCSS(日本色研配色体系)など数種類があります。
 マンセル表色系は、基本5色相(赤・黄・緑・青・紫)の中間色相(黄赤・黄緑・青緑・青紫・赤紫)を加えた10色相からなります。
 また、オストワルトの色相環は、基本8色相(黄・橙・赤・紫・青・青緑・緑・黄緑)をさらに各色相を三つに分けた24色相からなります。オストワルトの色相環で相対する位置にある二色は補色の関係にあり、補色どうしは混ぜ合わせると無彩色になります。
 色相環(hue circle)とは、色相を環状に配置したもので、色を体系化する時に用いる方法の一つです。色は光の波長の違いによって、赤・橙・黄・緑・青・紫というように連続的に変化して知覚されます。これを連続的に配列し円環状にしたものを、色相環といいます。
明度
 有彩色・無彩色は、それぞれに明るい色と暗い色があり、この色の明るさの度合いを明度といいます。明度は物体の表面の光の反射率に関係します。無彩色の中では、反射率の高い白は明るく(明度が高く)、黒は暗く(明度が低く)なります。
彩度
 彩度(chroma、saturation)とは、色の三属性(色相・明度・彩度)の一つで、色みの強さや、あざやかさの度合いをいいます。色みが明瞭な色は彩度が高く、くすんだ色は彩度が低くなります。同じ色相・明度であっても、彩度が高ければより鮮明に見える、ということになります。
 彩度と色相を持たない、白・灰・黒は無彩色といい、わずかでも彩度を持った色は有彩色といいます。有彩色の中でもっとも彩度が高い太陽光のスペクトルの色は、純色と呼ばれます。純色は、純度によってその度合いをあらわします。
 例えば清水港・みなと色彩計画のシンボルカラーであるマンセル記号10B7/8(読み方 ジュウビーナナノハチ)は10Bが色相、7は明度、8は彩度になります。また、N9.5(読み方 エヌキュウテンゴ)は無彩色のホワイトになります。